他に借りるあてがない状況で、まとまった現金を調達する手段としてとても重宝されているクレジットカード現金化。
ですが、安全かつ後悔のない手続きのためには、クレジットカード現金化のデメリットについてもしっかり理解しておかなければなりません。
自宅や会社でスマホを使って簡単に申し込める上に、即日振り込んでもらえる便利さが魅力ですし、急いでいる時に助けられたというかたも多いでしょう。
とはいえ、注意していないと思いがけないトラブルにつながる可能性もありますし、取り返しがつかないことも起こりかねません。
クレジットカード現金化の仕組みやリスクについてきちんと把握し、困った時には賢く役立てていきましょう。
クレジットカードは金銭的に損失が大きな取り引き
クレジットカードを現金化で一般的なのが、カード支払いした商品を業者に買い取ってもらってその差額を手にする方法と、購入した商品の特典としてキャッシュバックを受ける方法です。
ただし、いずれの方法でも購入した商品以上の現金を受け取ることはできません。
現金化業者で手続きする際には、必ず手数料が発生します。
手数料は換金率の中に含まれているものもあれば、システム利用料や振り込み手数料といった名目で別途差し引かれるものもありますが、10万円を現金化手続きしたとしても、10万円がそのまま自分の口座に入金されるわけではないのです。
換金率が80%なら、10万円の申し込みで8万円が現金に換えられますし、振り込み手数料がかかればそこからさらに数百円マイナスになります。
即日換金可能な現金化業者なら、手続きしたその日に8万円を手にすることができるものの、商品の購入には10万円を支払っていますので、代金の引き落とし日にはその10万円をカード会社に支払わなければなりません。
つまり、正しく商品購入のためにクレジットカードを使用していれば、10万円の商品に対して10万円の支払いとなったところを、現金化のために使用したことで8万円を得るために10万円支払うことになるのです。
丸々2万円分を損してしまうことを知っておかなければ、引き落としの段階になって後悔してしまうでしょう。
しかも、この2万円分の損失は一括払いした場合です。
クレジットカード現金化のためにカード支払いしても、通常の買いもの利用と違いはありませんから、後々分割払いやリボ払いに切り替えることもできます。
大口取り引きで支払いが困難な場合は非常に助かりますが、一括払い以外の方法を選ぶと、現金化業者に多額の手数料を支払った上で、さらにカード会社にも利息を加えた10万円以上の支払が続くことになるのです。
手数料はキャッシングの利息よりも高額
クレジットカード現金化業者での手続きは、現金化する上での面倒な工程をすべて業者にお任せできるのでとても手軽。
お店に足を運ばずに申し込めますし、何よりもスピーディです。
しかし、現金化業者もボランティアではありませんから、商売として利用者から手数料を取ります。
そしてこの手数料は、キャッシングやカードローンを利用した場合の利息よりも高額になることがほとんどで、無視できないデメリットです。
キャッシングには利息上限法があり、課せられる利息の上限が法律によって定められています。
金額にもよりますが、借り入れが高額になるほど上限利息も下がり、15%から20%程度です。
一方のクレジットカード現金化は、貸金行為とは異なります。
利用者にお金を貸しているわけではなく、あくまでも購入した商品を買い取ったり、キャッシュバックサービスで現金を振り込んでいるだけなので、当然、利息上限法の対象外です。
実際、クレジットカード現金化のために現金化業者で手続きする場合、換金率や手数料などで差し引かれる金額が申し込んだ金額の20%を超え、上限利息以上になってしまうことも少なくありません。
そして、こうした高額の手数料は現金化業者が自由に設定できるのもので、法律上問題があるわけでもないのです。
とはいえ、こうしたデメリットがあるとしても、クレジットカード現金化ができるからこそ助けられるかたが少なくありません。
借り入れは年間で借りられる額も総量規制で定められており、年収の3分の1以上は利用できないようになっています。
これは、生活に支障をきたさない範囲で返済できるように国が決めた基準です。
しかし、総量規制ギリギリまで借り入れをしても必要な現金が足らずに困っているかたもいます。
また、そもそも審査自体が通らずに、借り入れもローンを組むこともできないというかたもいるでしょう。
そうしたかた達の助けになっているのが、クレジットカード現金化なのです。
そもそも借り入れとは異なる仕組みだからこそ、自分名義のクレジットカードとショッピング枠内の残高があれば、となたでも審査不要で現金を手にできます。
借金があるかたも、審査が通らないかたも、仕事をしておらず収入がないかたももちろん不問。
利息以上の手数料がかかるデメリットがあったとしても、クレジットカード現金化を利用するかたが多いのは、こういった理由もあるのです。
現金化したことがバレると退会処分の可能性がある
まず、クレジットカード現金化そのものに、法律上問題はありません。
現在ではあくまでも取り締まる法律がないという理由ですが、違法性はないと判断されています。
いくら便利でも、捕まるようなデメリットがあれば手を出せませんが、グレーゾーンとはいえ現金化のためにクレジットカードを使用しても犯罪になるわけではありません。
ただ、気をつけておきたいのが、クレジットカードを発行しているカード会社の利用規約です。
国内外にさまざまなクレジットカードがありますが、どのカード会社でも利用規約で現金化のために使うことを禁じています。
クレジットカードは商品やサービスを購入するためのもので、就業状況や収入状況などを審査し、その人に適した利用限度額を定めた上で発行しているのです。
そもそも現金を得るために使うものではないため、目的とは異なる利用方法となる現金化行為は、金融庁も日本クレジット協会どちらからも禁止され、注意喚起が行われています。
もしクレジットカード現金化がカード会社にバレてしまった場合、守ることを約束した利用規約を破ったことになりますから、これ以上の契約維持は難しいと判断されて強制退会処分になるのが一般的です。
取り引き中の商品はキャンセルになりますし、これまで買いものや現金化のために使った分は一括払いを求められます。
とはいえ、クレジットカード現金化のためのカード利用が発覚しやすいかというと、決してそうではありません。
現金化の仕組みの中でクレジットカードが使用されるのが、普通の買いものと変わらない商品購入のみのため、現金化目的かどうかはカード会社にも判断しづらいのです。
カード会社では不正利用検知システムを導入しており、換金性が高い商品を頻繁に購入していたり、これまでの利用履歴から見て自然な高額商品を購入しているといった場合に、予告なしでカードが利用停止になるように対策しています。
しかし、この段階では不正利用の可能性が生じただけです。
契約者本人が規約に引っかかる使いかたをしたか、本人の知らないところでクレジットカードが使われたか、そもそも何も問題がない買いものだったかわかりません。
調査の結果、問題がないと判断されれば、そのままクレジットカードを使い続けられますので、万が一クレジットカード現金化利用でカードが停止してしまったら、可能な限り時間を置かずにカード会社へ連絡して確認に応じるようにしてください。
たとえ後ろ暗いことがあっても、現金化利用したことを正直に話す必要はありません。
いざという時のために、商品購入の理由を用意しておくといいでしょう。
カード会社にバレたらブラックリスト行き
クレジットカード現金化利用がカード会社に発覚してしまうと一括請求、強制退会だけに留まらず、信用情報にも傷がつきます。
信用情報というのはこれまでの借り入れ歴や返済状況、クレジットカードの支払い状況、ローンの契約や分割払いまで、その人の金銭に関する情報を客観的事実に基づき記録したものです。
クレジットカードを作ったりローンを組むときなどに行われる審査も、この信用情報を照会にかけます。
もしクレジットカード現金化がバレれば、そこに利用規約違反をしたことも記録されることになるのです。
この先、新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組んだり、高額商品を分割払いするときにも審査のために信用情報の確認が行われます。
そこに、クレジットカード現金化利用により強制退会になったと載っていれば、契約を守れないと判断される可能性はかなり高く、審査落ちしやすくなるというリスクがあるのです。
ただ、信用情報には永久的に記録されるものではなく、5年程度何も問題がなければ抹消されることになります。
それまでの期間、ある程度日常生活に不便を強いられてしまうことになるので、こういった影響が大きなデメリットがあることは現金化前に知っておかなければなりません。
クレジットカード現金化はショッピング枠に残っている金額分、上限いっぱいまで手続きが可能です。
まとまった現金を手にできて手続きも簡単、ピンチを乗り切る手段として役立ちますが、デメリットを理解していないと無計画な現金化で首が回らなくなったり、カード会社にバレるリスクが高まってしまいます。
クレジットカード現金化は破産法により不当な債務責務負担と見なされ、免責が認められずに破産もできない可能性があるため、いざとなったらなかったことに、というわけにもいきません。
便利だからこそ、現金化する際には損をする取り引きであることを理解した上で得られるメリットを考え、後々のカード会社への支払いを厳守し、利用が発覚しないように慎重に手続きすることを心掛けましょう。